わたしときみと

雷蔵の枕元で携帯が激しくシャウトしだした。午前5時45分。いつもの通り、そのアラームが途切れることはない。いい加減覚えてしまった音程が3回目になった所で雷蔵のところに向かう。うつぶせになって、顔を枕に預けていた。顔はふわふわな髪に覆われて、表情は見えない。けど、苦しくないんだろうか?

「雷蔵、朝だぞ」
「ん、大丈夫」

ちっとも大丈夫じゃない言葉に、腰のあたりでヤドカリみたいに山になっていたタオルケットを引き剥がす。そのまま、目一杯の力で揺さぶった。首が多少ガクガクしたけど、そんなの構っちゃいられない。そうでもしなきゃ、起きれないのだ。

「雷蔵、遅刻するぞ」
「ん、わかった」
「朝飯、食べれなくなるぞ」
「いいよ」
「置いてくぞ」
「いいよ」
「キスするぞ」

最後の台詞に、がばっと起き上がった雷蔵と目があった。

「おはよう」
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