97
Love and a cough cannot be hid.
【太宰】
「私は君のものにはならないよ。残念ながらね」
その優しい一言で確実に傷ついた。いつしかその傷は、化膿して微熱を引き起こす。ゆらゆらと揺れる蝋燭の炎のように、今でも溶けそうな彼の輪郭を思い出しては、微熱に襲われた。#文ストプラス この傷口を医者は「恋煩いの印」と呼ぶ。
-87-
[
*prev
] [
next#
]
[
TOP
/
栞
]