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【乱歩】
「ねぇ、何か甘いお菓子持ってないの?」
「どうぞ」
 ごく自然に、いつもの光景を演じる。
「チョコ嫌いですか?」
「否、胃に入れば皆同じってね」
 そう云って口へ放り込む。何処にもあるようなチョコレートが彼の中で溶けゆく頃にはきっと彼の名推理が聞けるのだろう。潜む真意は隠し味。

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