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【太宰】
「私の心臓は此の落ち葉と変わらない重さしかないのだよ」
 そう私がさり気なく呟いたのを聞いてからか、彼女は鮮やかに染まった葉を拾っては、無邪気に笑う
「これも太宰の心臓か?とても、美しいのだな!まるで宝石だ」
 やれやれ、皮肉を宝石に変えてしまうとは…とんだお嬢さんだよ君は。

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