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【中原】
 空に木霊する音。あっちには神社があった。
「おい、聞いてンのか」
「あ、はい」
 気を取られているとほんの少し前を歩く彼が不機嫌そうに振り返る。
「…そういや、今日は夏祭りか」
「そうですね」
 行きたい、って云えずに口を閉じると彼は方向転換して、あの音がする方へと向かっていた。

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