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【太宰】
体の芯が火照るのは酒のせい。
「マフィアの幹部も莫迦なのね、こんな女に会いに来るなんて」
「私も一人の男だ。女に溺れる事も在る」
 紅引く私を引き寄せる男。
 「散々、男に抱かれた私は貴男の事なんてー」と言いかける「その続きは旭を浴びながら聞くとしよう」
 ゆっくりと絡まる指先。

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