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【太宰】
 任務ので囮になった私だったが「待て女!」黒ずくめの男に髪をグイッと強く掴まれた。このまま捕まれば、作戦は失敗になる。『頼んだよ』彼の声がサイレンのように鳴り響いた。そう、彼の期待を裏切るわけにはいかない。隠し持っていたナイフを振り切る。「なっ」風に舞うのは自慢の髪。

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