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【太宰】
 いい子で居れば、貴男に距離を取られる事もない。今まで通りの毎日が回るだけ。
「太宰先生、ごめんなさい」
 保健室のソファでうたた寝する貴男に詫びて、顔を近づける。
「…ダメだよ。君を悪い子にするわけにはいかない」
 唇に触れたのは彼の指先。出来心も赦されない、近くて遠い距離。

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