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【太宰】
 彼女は、誰も寄せ付けない。
「あれ、太宰さん○○さん知りません?」
「嗚呼、彼女なら此処だよ。やっと寝た所だ」
 私の隣で本に突っ伏し、安らかな寝息を立てている。
「め、珍しいですね」
「ふふ、やっと懐いてくれたようだ」
 幼さの残る寝顔は私だけのものだと錯覚してしまいそうで。

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