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【太宰】
「おや、今日の紅茶は格別美味しいね、君が入れてくれたの?」
「はい」
 淡白な返答はいつもの事で
「ふむ、愛情が入ってるから美味しいのだね」
 冗談を云って彼女は、冷ややかな視線を
「はい」
「え?」
「?」
 私に向けるはずだが。素直に頷いた表情も小首を傾げる仕草も無表情。無意識かァ…

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