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【鶴丸】
 蒸し暑さに負けて縁側に寝転ぶ。その傍に鶴丸が腰掛け、硝子の器を傾けると漂う泡沫の影があの白い肌に影として落ちた。ビー玉が音を立てながら万華鏡と同じ文様を描いて光る様は、好奇心で満ちた彼の瞳と瓜二つ。
「喉がピリピリするぞ主!」
 毎日楽しそうな彼が夏の中でも一番眩しい。

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