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【山姥】
 塵も積もればなんとやら。純白に映える金糸が紡いだ姿にはらり、はらりと花弁が積もる。
「山姥、此処で寝ていたら桜山になっちゃうよ。」
「…上手くないからな」
「あはは、今のは無意識だったんだけど」
 変な悟りをした彼の頬が花弁のように染まり、被っていた布を目元まで引っ張る。

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