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【和泉】
「浅葱色って綺麗」
 空の碧よりも夏の木漏れ日が混じった様な隊服。
「これはオレの元主が…武士の死装束として作ったもんだが」
 穏やかな面影に悲哀感が翳るが一瞬で過ぎ去る。
「戦場は違えど、決死の覚悟を纏うのは格好いいだろ?」
 彼がそれを誇りとするなら、死なないでとは言えない。

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