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Love and a cough cannot be hid.
【歌仙】
「主は雅だね」
「そんなことないよ」
顔の造形も神様が手を込んだものでもなく、ごく普通だ。そう僕の言葉にいつも彼女は言い訳を綴る。しかし、天上から一本の糸を張りつめた様な背筋や揃えられた指先が雅を体現している。
「まあ、目利きの僕だけが知っているというのも悪くはないね」
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