07
Love and a cough cannot be hid.
【山姥】
彼女はいつも桜の下にいる俺を見ては、柔らかく微笑む。何がそんなに嬉しいのか聞けば、頼りない両手が頬を包む。
「春の淡い桜、初夏の緑を宿す瞳、山を染める山吹色を吸い込んだ髪、纏うのは深雪」
四季を彩る全てを持っている貴男が美しい。なんて
「っあんた、恥ずかしくないのか」
-159-
[
*prev
] [
next#
]
[
TOP
/
栞
]