14

 

【中原】
 白い部屋に住む私と黒を纏う彼。
「帽子の魔法使いさんは今日も来てくれたんですね」
 窓縁に腰掛ける彼は黙ったままモノクロな私達は言葉を交差させる事は出来ても、混ざり灰色になる事はない。心臓に向けられた銃口が冷たく光る。
「どうして、泣きそうなんですか?」
 彼の頬に伝う雫。

-4-

[*prev] [next#]
[TOP/]