03

 

【山姥】
 混ざらない蒼碧の空の下、彼が縁側に居るのを見つけた。すっぽりと身を包む白い布は、空を繰り抜いたようにそこに在る。
「山姥、何しているの?」
 声をかけても反応がない、いつもの事だが。
「ねぇ」
 近づいて見ると微かに上下する肩。
「無防備な所はじめて見た」
 可愛い所もあるのね。

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