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【田崎】
「素敵なレディになったらね。」これがいつも彼の断り文句。不貞腐れる彼女を慰める方法も子供じみた手品と変わらないまま。
「どうしたら貴男の中の私は大人になるの?」
「俺から声をかけたいと思ったら、さ」
 淡い笑みで立ち去る背中を最後まで見送れば、今宵もベットで独り泣くだけ。

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