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【田崎】
 薔薇色、真珠色、葡萄色。ドレスがステップを踏む度に花弁の様に舞う。何が楽しいのやら。
「壁に飾る華にしては勿体無い美しいお嬢さん、手品などいかが?」
「…好事家の奇術師さん、私を楽しませてくれる?」
 お茶目っ気たっぷりに片目を閉じる男は「もちろん」と自信ありげに微笑む。

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