12

 

【中原】
 今回任された任務は、一人の娘の命を奪う事。白い部屋で淡く微笑む標的の瞳は、悲しみが滲んでいた。
「……随分、悲しそうな顔してんじゃねェか、お嬢さん」
 窓から不意に声をかける。黙って殺せば善い物を。
「貴男は……もしかして、魔法使いさんですか?」
 宝石散りばめた瞳に囚われて。

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