07

 

【三好】
「さて、お遊戯は此れにてお終いです」
 胸の前で手を合わせる仕草は、舞台の幕が降りる光景の様。愛しい日々の終焉に胸の内へ乳白色に溶かされた闇が流れ込む。
「っさようなら、三好さん」
「…何を言ってるんですか、これからが本番ですよ」
 手の甲に落ちた接吻の熱が再び幕を開けた。

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