06

 

【三好】
「貴女は、誰も好きにならないでください」
 誰も、その中に彼自身も含まれているのだろう。
「なら、貴男の嘘を愛してもいいですか?」
 反論地味た言葉に珍しく破顔した後、彼は重たい溜息をつく。
「酷な事を言いますね」
「それはお互い様です」
 嘘ではなく彼自身を愛せたら、なんて。

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