04

 

【三好】
 偽の愛を歌う檻の中。
「籠の中の鳥みたい」
「鳥籠にじゃじゃ馬姫は入れませんよ」
「失礼ね、私だって美しく囀るわ!」
 個々の女性は皆、可愛い駒鳥だ。夜を歌い、レモン味の恋を求めている。
「では、其の美しい声を聞かせてもらいましょうか」
 彼の妖艶な炎を宿す瞳が心をとろり溶かす。

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