01

 

【福本】
 本格的な任務に付く、と聞いたのは何時だったか。花開く恋は不様に落る。実がなる事はないと解っていながら、今日も彼と肩を並べる。
「味噌汁、美味しいです」
「そうか」
 豆腐の白の上に散らされた三つ葉の苦さがやけに胸に染みるこの頃。この味だけは忘れないでいよう、そう決めた。

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