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【太宰】
 捧げた言葉に一喜一憂しなくなった彼女が震え出す。
「さァ、聞かせておくれ。君の心臓は一体何時から誰かの物になってしまったのか」
 手の下でただ緊張の鼓動を繰り返す心臓は、確かに彼の物だった。奪われたのか、捧げたのか。何方にせよ、彼の行動はひとつ。離れたモノは壊すだけ。

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