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【太宰】
 風が千切れた雲の切れ端を、何処かへと流して行く空の下。
「太宰さん何してるんですか?」
「雲を数える暇潰しだよ。退屈は人を殺せるらしいから」
 退屈自殺を実践中の様だ。
「其れで数えられましたか?」
「ふふ、其れじゃァ暇潰しにならない。君と居ると此の自殺方法は成功しなそうだ」

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