twitter部屋


▼ 使役者

兎喜さんの使い魔
【種別】人魚姫/女性
【体長】167cm
【能力】火炎魔法攻撃
【CV】田中理恵
【特徴】食べ物にこだわりがある。たまにゲテモノ料理を薦めてくる。
https://shindanmaker.com/chart/812514-a3dc4f013faaa207f0bf08dd48b859e3c8e3bf29
#あなたと契約した異界の召喚獣
https://shindanmaker.com/812514

この診断を元に書きました。
お話の下に簡単な設定があります。


………


 海に惹かれる。どうしても、如何しても。ぼくは空を見上げるより、海に潜る方がずっと好きだった。

 その子と逢うまでは。


「使い魔をご存知?」
「いいえ、何も」
「そう、そうそう、それなら良いのよ、貴方みたいな愛らしい娘御がその様な穢らわしい魔を背負うなんてとんでもないもの」
「貴女は本当に変な人だ。ぼくがぼくであることを知っているのに、娘だなんて言う」
「だって、添うじゃない。貴方は貴方、精神は男でも女でもない。ならば、一等美しいその美貌を尊重したっていいじゃない」
「ぼくの造形は母から継いだだけのこと。そのように評価するものではない」
「維持をしている。美しさに磨きをかけている。それだけで、どれ程の価値が貴方のその見目にあるのか。貴方はひとつも知らないのね」
「ええ、知りません。知る必要など無いのですから」
「まあなんてこと。持つ者だからこその傲慢な言葉だわ。それでも一等美しいのだからタチが悪いわね」
「貴女こそ、変な人だ」

 雑居ビルの地下から出る。雑踏の中、ぼくは一人で歩く。海から遠いこの場所で、ぼくは潮の香りを漂わせる。
《ねえねえユグモ、あんな人ほっとこうよ》
「仕方がないだろう。あれを見捨てることはもう出来ないよ」
《ワタシを否定するのに?》
「ぼくだってきみを認めたわけじゃないさ」
《ウソばっかり》
 クスクスと笑いながら、ぼくの使い魔、人魚姫という種族にして真っ赤な鱗を持つアケは言った。
《まあいいや、必要な情報は貰ったね》
「魔法都のアラクネの鍋か。ホント、いやになるところだ」
《あそこは海からほど遠いもの! ワタシのご主人をしているのなら、仕方ないかもね》
「かといって海に行くときみの力が暴走するじゃないか」
《やあね、暴走なんてしないわ。ちょっと強くなるだけよ》
「どうだか」

 ぼくは人のいない路地に入ると、三歩歩き、右足の踵を二回鳴らす。すると現れたのは鈍い光を放つ銅の扉だ。錠前をアケが砕き、素知らぬ顔でぼくは魔法都への入り口をくぐった。

 魔法都は今日も人ならざる者たちで溢れている。ぼくもまた、使い魔持ちの人ならざる者だ。使い魔持ちのことを使役者とも呼ぶらしい。
「アケ、出てきていいよ」
《わかった! ふう、姿を消すのは面倒だわ》
「そうだろうね。魔力消費が激しい」
《美味しいものが食べたいなあ》
「後で肉詰めパイでも食べに行こう。先にアラクネの鍋だ」
《ユグモがエネルギー不足にならない?》
「平気だ」
《どーだかね。ワタシの魔力はユグモに依存してるのよ? 先に食べましょ》
「……分かった」
 ぼくはため息を吐いてから、ふわふわと浮かぶ、ぼくより背の高いアケを連れて酒場へと向かったのだった。


………


【簡易設定】

名前:ユグモ
ぼく。アケを使い魔として使役している使役者。ぶっきらぼうだが、面倒見は良い。美しい見目をしている。生物学上は女性。心の性別は特に無い。性別を決めつけられると不機嫌になる。

名前:アケ
使い魔。人魚姫という種族にしては珍しい炎属性。食べることが好き。ユグモとは一心同体である。

名前:???
狂った女。ただし、情報屋としては最高の技術を持つ。ユグモを可愛がっているつもりである。




- ナノ -