▼ 潰れた苺
tokiは、騒がしい街角 が舞台で『苺』が出てくる喧嘩する話を4ツイート以内で書いてみましょう。
shindanmaker.com/139886
がやがやと喧騒がする、街角。僕ときみはそこにいた。大っ嫌い。そう叫んだきみに僕は何も言えない。嫌いよ大嫌いなのよ。そればかり、壊れたお人形みたいにきみは繰り返す。
「あなたさえいなければ私は幸せになれたのに!」
どうして私の前に現れたの、どうして私を見つけたの。どうして、私はあなたに出会ってしまったの。きみはそう言って泣いた。心の中、苺がぐしゃりと踏み潰される。花壇の土が僅かに散らばるコンクリートの上で、苺が無惨な姿となった。
「なんで、出会ったのよ」
教えてよときみは言う。何度目かもわからない堂々めぐり。僕は、何を言えばいいのだろう。
「僕はしあわせだったよ」
きみが目を見開く、バカじゃないの、唖然とした顔をする。ああそうだね、僕はきっと大馬鹿ものだ。だって。
「大嫌いも好きのうちでしょう」
きみの言葉が愛の告白にしか聞こえないのだから。