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夢主視点


 朝のランニングには獅子王さんが同行し、愛染さんとは朝ごはんの席で会った。昨日は大丈夫だったかとふたりから改めて聞かれて、大丈夫ですと答えればふたりは複雑そうに顔を見合わせていた。どうしたのだろう、何かあっただろうか。そう考えていると審神者さんがやって来て、朝ごはんとなった。今日の朝ごはんは味噌汁にごはんに、豚の生姜焼きだ。

 朝ごはんの後は掃除当番の獅子王さんと骨喰さんを手伝った。薄暗い部屋の中、あまり使われていないその部屋は少しだけ物置のようになっている。獅子王さんが脚立を立てて高いところの荷物を降ろし、骨喰さんと私でホコリを取り除いていく。ハタキや雑巾を使ってホコリを丁寧にとって行けば、なあと声がかかった。骨喰さんを一度見てから、獅子王さんを見上げれば、獅子王さんは最後の荷物を持って脚立から降りていた。
「昨日はよく眠れたか」
 少し手つきが危なっかしいと言われて、荷物を受け取りながら、慣れないことなのでと言い、続けた。
「多分、よく眠れたと思います」
 あまり覚えていないのですと答えれば、獅子王さんはそうかと何か考え事をしながら頷いた。
 一体、何なのだろう。

「そういえば明日は新月だな」
 唐突に骨喰さんが言うので、獅子王さんは驚いていた。私も驚いて骨喰さんを見る。
「あ、そうだっけ? もうそんな時期か」
 早いなと獅子王さんが言えば、骨喰さんは嗚呼と頷いてから私を見た。
「夜の闇が深い日だ。ランニングは止めておいた方がいい」
 じっと見つめられて、私は頷いた。その返事に骨喰さんは満足したように、拭き掃除が終わったから荷物を上に上げてしまおうと脚立に手をかけたのだった。

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