今吉さんと青峰くん/帝光中学三年生/今吉視点/お題箱へリクエストありがとうございます!
作業用BGM→ASH(Lisa)


「なあ今吉さんてバスケ出来るんだな!」
 なんか来た。

 赤司と桃井の策によって再びバスケの臨時マネージャーをしていると、キラキラした目の青峰が駆け寄ってきた。そしてその第一声がこれである。え、何。思わずそう返したワシは悪くない。多分。
「このあいだ遠くのストバス場で見たんだって」
「は?」
「うわ今吉さん目つき悪ッ」
「うっさいわ。てか青峰くんウチのことそう呼ぶん?」
「何か問題あんの?」
「いや無いけど」
 無いけどキラキラな目をした青峰にそう呼ばれるのは違和感しかない。

 さてそれは置いておくとして、青峰の証言を聞くに、この間の花宮との恒例バスケ練を見られたようだ。しまった全く気が付かなかったとひっそりと冷や汗をかいていれば、青峰は3Pシュートしてたよなと何故か嬉しそうにしている。一年生現在の青峰はバスケ大好き少年だからこの発言は何らおかしくは無いのだが、どうにも前を知ってると違和感を感じる。
 どうしたものかと思いながら取り敢えずさっさと練習戻れと伝えていると、ひょこりと黒子が青峰を連れ戻しに来た。かと思ったら僕も今吉さんのバスケを見ましたと何故か自信ありげに言われた。つまり何だ、この流れはと赤司をそろりと見れば、にっこりと笑われた。これは恐らく、キセキ全員に見られている。赤司の微笑みと予想される事実がとても怖い。
「あー、青峰くん練習に戻りぃ」
「今吉さんもバスケしようぜ!」
「やらんわ。ウチは混ざれませんー」
「そうですよ青峰君」
「お、話がわかる」
「今吉さんは女性ですから男子の練習には混ざれません。ので、練習が終わってからの自主練時間に技術を見せてもらいましょう」
「アカンやつやん」
 名案だなテツと青峰は嬉しそうにして練習に戻って行った。黒子も練習に戻り、ワシはまた赤司を見た。また笑みを返された。これは逃げれんと内心頭を抱えれば、後ろから桃井にデータが必要ですかと嬉しそうに言われた。いや、データ渡されても。試合でもしろと?

 何はともかくとして目の前のマネージャー業を片付けてからだ。ワシはボトルの山を前に、桃井へと声をかけた。
「とりあえずドリンク作ってくるわ」
「お願いします!」
 そうしてボトルの山を手に歩き出せば、青峰が練習しているのが目に入る。あの青峰が楽しそうに練習してるなんてなと思いながら、ワシは水道へと向かったのだった。



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