うぐしし/世界の礎/朝の話とか、鵺のシャンプーとか
タイトルは207β様からお借りしました。


 あなたが世界の礎なのです。

 朝、目が覚めると、隣で寝ている鶯丸を起こさぬように布団から出る。着替えを済ませて、手拭いを持って水道に向かった。顔を洗い、歯磨きをする。朝の支度が済むと俺は厨に向かった。厨では歌仙と燭台切が朝食作りをしてたから、お茶を淹れるついでに朝食作りを手伝って、お茶を淹れると厨を後にした。
 部屋に戻り、声をかけてから入る。鶯丸さんが起き上がったので、お茶を淹れたぜと言えば、ありがとうと笑ってくれた。
 鶯丸さんが朝の支度を終えるのをお茶を飲みながら待つ。鶯丸さんは手早く朝の支度をして、隣でホッとお茶を飲んだ。美味しいかと聞けば、美味いなと微笑んでくれた。
 厚が朝ごはんの時間だと呼びに来てくれたので、鶯丸と一緒に食堂に向かう。途中で鳴狐とお供の狐と出会ったので、三人と一匹で向かえば、本丸に所属する半分ほどの刀剣男士が集まっていた。まだ来てない刀には短刀たちが向かったようだ。
 皆が揃うと主の号令で食事が始まった。膳を前に、今日のごはんも美味しそうだと思って食べていると、ふと気配を感じて後ろへ振り返る。そこには姿が見えなかった鵺がいて、もふもふとした毛を俺の背に擦り寄せて丸くなっていた。鶯丸が甘えん坊だなと笑うので、どっちかというと俺の保護者だけどなと笑っておいた。
 朝食後は本日の出陣や内番の発表で、俺と鶯丸は昨日出陣したからか、休みを与えられた。

 俺は鵺の体を洗おうと決め、鶯丸はと聞けば、手伝おうと言われた。それを受け入れて、石鹸などを持って外の水道に鵺を連れて行く。
 鵺は特に水嫌いだったりはしない。だから大人しく洗われてくれるので、とても楽だ。五虎退の虎やお供の狐を洗う時は大変そうで、特に五虎退の虎は兄弟総出で洗っていた。お供の狐は洗っている時に暴れはしないが、うるさい。
 鶯丸は洗い終わった後にバスタオルで鵺を拭ってくれて、ドライヤーも任せろと楽しそうにしていた。部屋に戻り、主からもらったドライヤーで鵺を乾かす。もう何度も行っているからか、鶯丸は手慣れた様子でドライヤーを使っていた。

 それにしても、鶯丸は世話が得意な方ではないのにと思えば、お前だからなと笑みを浮かべた。
「獅子王の家族だから、進んで世話したくもなるだろう」
 なあと鵺に声をかけるから、鵺はふんと息を吐いて、ドライヤーされるがままに目を閉じた。
 一方で俺は、鶯丸ってたまに恥ずかしいこと言うなあとちょっと顔が熱かった。

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