カンカンカンカン
踏切が下りる音。どんどん近づく電車。今だ、走れ!
「何してるんですか」
「あ、ノボリ!あのね自殺ごっこ!」
「楽しいですか?」
「ううん。特に」
あ、でも。
「ノボリが一緒ならうれしい」
「お黙りなさい」
久々の休日ですのに。と、ノボリは言う。うん、だから普段出来ない遊びをしようと思ったんだけどな。
「大体、本当に死んだらどうするおつもりで?」
「ノボリに取り憑く」
「嫌です」
「じゃあ憑く。」
「あまり変わりません」
「で、ノボリとずっと一緒に居る」
「それでクダリは満足ですか?」
「ううん。全然。だって喋れないし、お菓子も食べれないもん。」
じゃあやめましょう。と、ノボリは上りきった踏切の中の線路を渡り出した。待ってよおいてかないでよ。
午後二時、踏切にて
(それで、満足したのですか)
(自殺ごっこはもうやめる)
(素晴らしい判断ですね)