宮中/11.(…後で問い詰めてやる)


 弾む気持ちで屋敷に帰ると中原君を見かけたが、何故かじっと睨むように見られた。首を傾げれば、その視線がぼくではなく隣に立つダルタニアン君に向かっていることに気がついた。そして中原君がつかつかとダルタニアン君に詰め寄り、ぐいっと引っ張って少し離れた位置に連れて行こうとするのでまだ報告をしていないのでお使いが終わっていないと告げる。中原君は渋々手を離し、その代わりダルタニアン君に屈むよう指示した。ダルタニアン君が苦笑して屈めば明らかに体育館裏に呼び出す不良の顔で一言。
「後で俺の部屋来い。」
 そのドスの効いた声に、何やら怒りをかったらしいダルタニアン君は馬に蹴れられると呟いていた。

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