宮中/10.意外にバレバレだったりして。

 簡単なお使いを頼まれた。同じ頼まれごとをされたのはダルタニアン君だった。
 二人で届け物というお使いを済ませて帰路についていると、ふとダルタニアン君が尋ねてきた。曰く、中原君とは上手くいっているのかと。少し驚いてしまう。そんなぼくの反応にダルタニアン君は笑った。
「キミたちのことは案外バレているぞ?」
 その言葉に下手なことは出来ないなと笑えば、ダルタニアン君は苦笑する。そんなことをすることは無いのだろうと。ぼくは笑顔で頷いた。
「ぼくらにはぼくらの愛のカタチがあるからね。」
 そんなぼくに、ダルタニアン君はため息を吐いて仕方なさそうに笑む。だからぼくはそんな彼を急かして、早く中原君のいる屋敷へと帰ろうと言ったのだった。自然と気持ちは上向きになっていた。

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