3年組中心/生命の泡3/SFファンタジー系謎パラレル


 ガーネットのクラスに移動すると三十人ほどの様々な年齢の人々がいた。学生であろう年齢から会社勤めをしているだろう人間まで、様々な人がいる。その中で笠松達は適当に固まって席に着いた。
 全員が席に着くと、電子パネルが教室の正面に現れ、キセが顔を出した。
『えっと、それでは皆さんにドラゴンと戦うためのジョブと、信仰する竜を決めてもらうッス!』
 ここで注意点とキセはぴっと指を立てた。
『ジョブと信仰する竜は一度決めたら変更は出来ないッス! だからジョブと信仰はちゃーんと考えて決めてくださいッス! ということでジョブと信仰について一覧を表示するッス!」
 キセが手を振ると生徒達それぞれの机に電子パネルが浮かび上がり、ジョブ一覧と信仰についての説明が現れた。
「ジョブは全12種か」
 笠松が一覧をざっと見て言えば、それなら全員でコンプリートしようぜと福井が提案。それならと12人はそれぞれジョブを話し合いで決めた。さらに信仰は6種類で、それによって使える属性魔術が固定されるとあったので、なるべく平等に割り振った結果。

笠松
ジョブ:双剣使い
信仰:火の竜
森山
ジョブ:吟遊詩人
信仰:草の竜
小堀
ジョブ:僧侶
信仰:水の竜

今吉
ジョブ:占い師
信仰:生命の竜
諏佐
ジョブ:薬師
信仰:金の竜

大坪
ジョブ:騎士
信仰:土の竜
宮地
ジョブ:剣士
信仰:火の竜
木村
ジョブ:錬金術士
信仰:草の竜

福井
ジョブ:商人
信仰:金の竜
岡村
ジョブ:料理人
信仰:土の竜

春日
ジョブ:狩人
信仰:火の竜

ジョブ:盗賊
信仰:水の竜

 信仰に関しては平等に割り振ったものの、それぞれの体質や性格に合わせてオススメの信仰というものがあったので、それが最後の決め手だった。
「火とかはわかるんやけど、生命の竜ってなんやろ」
「さあな。でもお前しか選ばれなかったのには何か理由でもあるんじゃないか」
「諏佐お前今、サトリとか思ったやろ」
「なんのことだか」
 相変わらず食えんやつと今吉はブツブツ言いながら確定ボタンを押した。全員がジョブと信仰を決めて確定ボタンを押すと、電脳ナビキセが再び教室前方の画面に現れた。
『ご登録ありがとうございますッス! 本番の授業の前に、ジョブと信仰をお試しできるフィールドにみなさんをご招待するッス! 学生証を持って校庭へどうぞッス!』
 キセの指示のもと、ガーネットの学生たちが校庭へと移動していく。笠松たちも揃って校庭へと移動した。

 広い校庭の真ん中には窪んだ、小さな舞台のような、そんなフィールドが用意されていた。シトリンとターコイズの生徒達も集まると、フィールドに電子パネルが現れ、キセが顔を出した。
『それではまずパーティを組んでから、学生証を提示してくださいッス! あ、パーティは人数制限はないッスよ! あと、ソロも大歓迎ッス!』
 その言葉に、笠松達は12人でパーティを組み、笠松をリーダーに学生証を電子パネルに提示した。すると認証しましたとどこかで聞いたような声がして、画面に青い髪で肌の黒い、13歳ほどの少年が現れた。
『俺はバトルフィールドを管理している電脳ナビのアオミネだ』
 気だるげに言ったアオミネはすいっと移動し、フィールドの電子パネルに現れた。
『アオミネっち遅いッスよ!』
『あー?』
『相変わらずやる気ないッスね?!』
 しょうがないから俺が指示するッスとキセが画面中央に立った。
『模擬戦は学園が用意した偽の竜をみんなで撃退してもらうっていう内容ッス!』
 それでは皆さん、バトルフィールドへどうぞとキセが言うと皆がぞろぞろとフィールドへ移動していく。
 笠松達も移動しようとしたが、ふと、今吉が足を止めた。どうしたのと春日が聞くと、今吉はいや大したことではないけれどと胸の辺りに手を当てた。
「なんか、痛みがあったような気がしたんやけど」
 気のせいかなと今吉は首を傾げ、気のせいならいいかと、12人はフィールドへと降りていったのだった。



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