PG組/第一回PG食事会/途中で詰まったので無理矢理終わらせました/シリーズになるかもしれません/ネタ程度にどうぞ



 お食事会である。
「何でだ。」
「笠松その台詞三度目やで。」
「お前順応早いな。」
「そら楽しまなソンやろ。なー、高尾。」
「そうですよね!これはもう楽しまないと!」
「元気だな。」
 げんなりしている笠松の前にはやけに敷居の高そうな料亭の襖があった。指定された場所に行ったら日本屋敷があり、その前で今吉と高尾と出会ったと思ったら彼は着物の女性に案内されて日本屋敷の中、つまりは料亭の中の襖の前に立たされたわけである。着物女性、仲居のその人に誘導されるように襖を開けば中には何とも上品な個室の内装とそこに姿勢良く座る一人の男。
「皆さんよく来てくださいました。」
 笠松達を呼び出した張本人たる赤司征十郎がそこにいた。

 赤司に目が行くので気がつかなかったものの、笠松達が部屋の中へと入れば他にも人がいることが分かる。彼らも笠松達の知り合いであり、それは春日と福井と石田と花宮だった。心なしか花宮の表情が重いが笠松たちは気にしないことにし、さっさと席に着いた。
「真ちゃんからメール来た時はビビったわー。赤司って本当に突然だな。なんかあったの?」
「なんや、既に錚々(そうそう)たるメンバーやないか。他に集めたんは、察するに誠凛んトコのPG二人か?」
「当たりですよ今吉さん。噂に違わず流石ですね。」
「噂って何?こわいわー」
「白々しすぎる妖怪……」
「オイそこ聞こえとるで。」
 花宮がサッと顔を逸らし、場にいる面々は花宮の心境をいくばか察した。それに助け舟を出す者はいない。勿論、人の嫌なところを的確につつける今吉の毒牙にかかりたくないからである。それが怖くない笠松や赤司などは単に気が無いだけだが。
 そうしていれば襖が開き、伊月と降旗がやって来た。花宮を見た途端に三人がピリッと苛立つ気配がしたが、すぐに仲居が飲み物を聞きに来たので場が落ち着いた。すぐに各々が選んだ飲み物が運ばれてくると、主催である赤司が口を開く。
「皆さん忙しい中集まっていただきありがとうございます。今回の食事会の目的は皆さん聞いていると思いますが、交流と意見交換になります。急で勝手な開催となってしまい申し訳ありません。」
「ひとついーい?」
「はい、春日さん。」
「どうしてこのメンバーを集めたの?きっかけがイマイチ分からないんだよねん。」
「ああ。そのことですか。元々自校のバスケ部レギュラーと食事会をしようとしたら皆都合が合わないというので、それならとキセキの皆を誘ったら都合が合わないと。LINEでそのまま会話をしていたら俺がPGをやっているので同じPGと交流してみたらどうかと言われたのです。面白そうだなと思い、この会を開くことにしました。」
 その言葉でだいたいが察した。赤司に友だちを誘うという言葉が無い時点でかなり察した。誰もその事を言わないのは空気を読んだ結果である。最も、赤司はその事を言われてもあまり気にしないだろうが。
「では話が長くなりましたが、用意した食事を楽しみましょう。苦手なものなどは事前に調べられるものは調べて伝えておきましたが、もし苦手なものが出てきたら遠慮なく教えてください。取り替えさせますので。」
「ん?もしかしてここって赤司に関係のある料亭なのか。」
「贔屓にしているところなだけですよ。この辺に用事があれば食事は此処と決めているんです。」
「店員さん達と顔見知りってことだね。」
「正解です、伊月さん。」

 かくして、第一回PG食事会が始まったのであった。



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