入学式
チェレンとジュンのバトルの次の日。そう、入学式だ。
在校生から花飾りを胸につけてもらう。俺に花飾りをつけてくれたのは黄緑色の髪をした男子生徒だった。
「はい、出来ましたよ」
「ありがとうございます」
「ようこそ正海刻学園へ。歓迎します」
のんびりとした声色のその人はにっこりと笑った。俺もつられて笑って、入学式を行う第一体育館に入った。チェレンとは科が違うので席が違うために別行動だ。今は同じ科で隣部屋111号室の住民ことキョウヘイ君と一緒で、偶然出会ったのだ。そしてこれまた偶然なことに同じG組らしい。
軽く喋りながら新入生の1-Gの席に座り、式が始まるまで軽く喋る。式はそう待たずに始まった。
式はどんどん進み、新入生代表の挨拶となった。
『新入生代表、1年A組ヒビキ君』
「はい」
返事と立ち上がる音がした方を見る。そして、あれ、と思う。黒髪のその生徒は昨日、食堂前で見たような気がする。
新入生代表の挨拶が終わり、次は在校生からの挨拶だった。
『在校生代表、6年A組ミナキ君』
「はい」
ミナキと聞いて目を見開く。立ち上がったのは昨日会った、
(ミナキさん?!)
壇上に上がって挨拶をするミナキさんに、俺は頭の中がぐるぐると混乱する。在校生代表ということはミナキさんは生徒会長なのだろうか、否、生徒会長なら生徒会長と言う筈だから、それ以外に代表になるのは、新入生代表は学者科首席だから、もしかして。
(ミナキさんは6年学者科首席?!)
マジか、と呟いた俺をキョウヘイ君が不思議そうに見た。