スーパー



スーパーへの道のりを人に尋ねながらスーパーにたどり着くと、カゴをチェレンに持たせて(ジャンケンで俺が勝ったから)商品を物色する。俺もチェレンも料理が得意ではないので、調理が簡単そうなものを重点的に見る。

「あの木の実は生でサラダに出来るよな」
「ドレッシング買おう」
「あ、トウヤ君」
「はい?」

声をかけられて振り向くとそこには買い物をするユウキ君とハルカさんが居た。

「やっぱりトウヤ君だったね」
「昨日ぶりだねトウヤ君!」

笑顔の二人に俺は仲良しだなあなんて思いながら、ミツル君がいないので尋ねた。どうやら養護の先生に挨拶に行ったらしい。ついでについて行こうとして二人とも追い返されたので買い出しに来たのだとか。チェレンはユウキ君のことを知らないので自己紹介もした。

「二人も買い物なんだ、アタシたちと一緒だね」
「二人もお昼と夕飯の買い出しかい?」
「いえ、明日からの朝食分を」
「夕飯は食堂のつもり」
「そうなんだ!」

ニコニコとするハルカさんはキラキラとしていて眩しいと思った。

「お昼も夕飯も自炊って凄いな」
「そんなことないよ、俺の方はミツルが食堂だと人酔いするからっていう理由があるからさ。ハルカは料理好きなんだよ」
「えへへ。料理は好きなんだ。でも料理よりポロック作りの方が好きだけどね」

木の実の割合とか追求するのが楽しくて、とハルカさんが楽しそうに語る。それをユウキ君は止まらなくなるからとやんわり止めた。確かに長くなりそうだと思っていたので、ありがたいといえばありがたかった。けれど、フーズの調合なんかも学ぶ育成科の俺としてはちょっと興味があったので、少しだけガッカリした。

「朝食だけでも自炊するなら、これからよくスーパーで会うかもね」
「そうだな」
「よろしくね!」
「こちらこそよろしく」

そうして二人と別れると、パンや米、ジャム、木の実、ドレッシングなんかをカゴに入れてレジでお金を払う。その後、袋詰めをして俺たちは寮へ帰るのだった。
ちなみに、何度も地図と睨めっこし、さらに途中で出会った人に寮への道を何度も尋ねたのは余談だと信じたい。



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