クラス割



クラス割を見に第一体育館に行くと人がごった返していた。凄い人だな、ポケモンのねんりきで浮いたり背に乗って見てる人もいるぞ、おい。反則じゃないか。

「ダイケンキに乗るか…」
「やめてくれ。」
「冗談だよ。多分」
「安心できないな。しかし、これは人が引かないとクラス割が見えないな。」
「本当に。まさかこんなに人がいるとは」
「流石はマンモス校だな。」

一年生だけでも40×8の320人がいるのだから、この混みようは仕方ないのかもしれない。ちなみに、S組は事前に知らされているのが殆どだから計算には含んでないない。

「あ!トウヤにチェレン!」
「あ、トウコ」
「わたしもいるよお!」
「ベル!」

昨日ぶりだねえ、なんて嬉しそうな二人に俺たちも嬉しくなる。仲の良い家族みたいなものだから、会えたら嬉しいのだ。

「二人はクラス分かった?」
「まだ。トウコとベルは?」
「アタシ達もまだ!こんなに人がいるなんて思わなかったわ!」

そんなトウコと思考が同じだということに、やっぱり一緒にいると似るなあなんて思っていると、後ろから声をかけられた。

「はい?」
「キミ達まだクラス割見てへんの?」
「あ、はい」
「やっぱなーこんなに人がおんねん。見ようったって無理や。グリーンさんに言ってなんとかしてもらうに、ちょお待っとき」

その人はニコッと笑って去って行った。その人はそう長くないピンクの髪を下方で二つに縛っていて、目もピンク、女子生徒で、ネクタイからして戦闘科。そしてなによりオレンジ色の腕章をしていた。

「腕章してたねえ」
「生徒会の人かしら」
「いや生徒会なら紫色の腕章の筈だ」
「じゃあオレンジ色は何?」

俺たちがそう言っていると、ピンポンパンポーンと放送が始まる。

『あー、こちら生徒会です。第一体育館にてクラス割を見ている生徒の皆さん。クラスを確認したらすぐに後方へ移動、もしくは体育館から出てください。快適なクラス割確認の為の生徒会からの連絡です。以上、生徒会書記グリーンでした。』
『友達と同じクラスになれて嬉しかったりクラスが離れて悲しかったりすると思うやねんけど、後ろの方で見られない人がおんねん!みんな堪忍なー』
『オイなにしてんだアカネ』
『以上学級委員長からもお願いやで!あんなあ、グリーンさんは言葉数が少なすぎやねん。そんなんじゃ皆動いてくれへんで!』
『とりあえず早く持ち場に戻れ!』

ブツッと放送が終わると、皆がしばらくぽかんとしていた。うん。あの関西弁はさっきの人だ。

「…学級委員長からの、ってことは学級委員長なんだな」
「そうみたいだねえ。名前はアカネさんっていうんだねえ!」
「可愛い名前ね!そっかーオレンジ色の腕章は委員長なんだ」
「覚えておこう」

俺たちが会話しているとぞろぞろと生徒達が動き出す。放送の効果は絶大だったようだ。
俺たちは四人揃ってクラス割のある壁際に移動する。最初は学者科だった。学者科といえばベルで、B組のようだ。次は戦闘科。

「あ!アタシC組!」
「僕はD組か。トウコとは分かれたね」
「ちょっと残念だわ!」

そのまま次を見るとコーディネーター科だったが、このメンツには居ないのでパス。最後は育成科で、俺はG組だった。

(全員バラバラかー)

少しだけ寂しいな、と思った。



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