1年育成科主席



俺はせっかちなジュンとのんびりしてそうなコウキ君の組み合わせに不思議に思いながら口を開く。

「二人は仲良いんだ」
「コウキと俺?うん。幼馴染だしな」
「へえ、幼馴染かー俺とチェレンと一緒だな」
「二人は幼馴染なんだあ」
「あと二人居るけどね」

チェレンの言葉にジュンがきょとんとして口を開く。

「その二人はどうしたんだ?」
「女子だからさ」
「あー寮が違うもんな。メールしねえの?」
「別にいいかなと」
「僕らとヒカリみたいなものだよジュン」
「なるほどー」
「ヒカリ?」

俺の言葉にコウキ君が答える。幼馴染だと。

「女子でコーディネーター科なんだ。」
「へえ、ハルカさんと一緒だな」
「ハルカさん?」
「コーディネーター科の一年主席。偶然知り合ったんだ」
「主席かー」

コウキ君がそう言うとジュンがすかさず口を開く。

「コウキも主席だろ!」
「うんそうだねー」
「えっ」

固まる俺。チェレンはむせている。そんな俺たちに、コウキ君はまったり朝食を食べながら、まさか主席になるとは思わなかったやーなんてほのぼのしている。いやいや、主席って。

「またかよ…!」
「どうしたんだ?」
「昨日と似たパターンだな…」
「チェレン君目が明後日を向いてるよー」
「コウキ早く食べろよ。」
「うん。ジュンは相変わらず早いねえ」
「早いと得だからな!」
「よく噛んで食べないと胃に負担がかかるよー」

モグモグしているコウキ君に、俺とチェレンはやっと復活して朝食を食べることを再開した。

「はあ、凄いな…」
「全くだ…」
「そうは言っても主席は学年で四人出るわけだからそんなに低い確率じゃあないよ?」
「九クラス中四人は凄いと思う…」
「同意見だ…」
「そっかあ」

コウキ君はご馳走様と手を合わせた。俺たちがリアクションしている間にだいぶ食べ進んでいたらしい。というか時間がやばい。そろそろクラス割が発表される筈だ。

「チェレン、クラス割は何処だっけ」
「第一体育館」
「二人とも急げよな!」
「僕ら先に行くねージュンがこれ以上待ってられないから」
「あったりまえだろ!」

じゃあまたね、同じクラスになれるといいね、とコウキ君とジュンが席を立った。携帯で時間を見ると発表まであと10分ほど。まあ、クラス割は一日されるらしいのでそんなに急ぐことはないだろう。でもクラス割が気になるのが学生である。

「ご馳走様」
「うわっチェレンに負けた!」
「勝ったも負けたもないから。でも早く食べなよ、クラス割が気になるし、スーパー行くし」
「わかってるよ!」

急いで味噌汁を掻き込むと食器を二人で返却口に持って行き、第一体育館に急いだ。



- ナノ -