幼馴染四人組
俺が外に出ると、隣の家の二階の窓から長い髪を高い位置で結んだ女の子が外に体を乗り出す。
「トウヤー!」
「うわっトウコ危ないって!」
「平気平気!とうっ」
「ちょ、トウコ!?」
窓から飛び降りたトウコは素早く庭で放し飼いされていたジャローダを呼んだ。トウコに鍛えられた特別素早いジャローダはあっという間にトウコを受け止める。俺はトウコに駆け寄った。
「トウコなにしてんの?!」
「いつものことじゃん」
「あのね、何度見ても驚くから!女の子なんだからもっと大人しくしようよ」
「無理」
「デスヨネー」
俺がため息を吐くと、トウコはにやにやと笑う。ニコニコじゃなくて、にやにや。
「何、トウヤ心配してくれるの?」
「するよ…大切な幼馴染なんだから」
「ふへへありがと」
「変な笑い方」
呆れる僕の手の中のモンスターボールを見て、トウコが察したらしく、水浴びさせないのと問う。
「させるよ」
「じゃあ手伝うよ」
「ありがと」
ダイケンキをボールから出して、ホースを握る。蛇口の栓をトウコが捻ると勢い良く水が溢れる。この水は水道水ではなく地下水だ。
僕がダイケンキに水浴びと食事をさせて、トウコがジャローダにブラッシングしていると、向かいと斜め向かいから男の子と女の子が出てくる。チェレンとベル、僕とトウコの幼馴染だ。僕ら四人は産まれた病院から同じの幼馴染である。
「おはようトウコートウヤー」
「おはようベル!」
「走ると転ぶよベル。トウヤ、そろそろ出発の準備をしないか」
「そんな時間?」
「ああ。」
きゃっきゃするトウコとベルにも出発のことをチェレンは伝えると、レパルダスの入ったボールを確認していた。そんなチェレンの青色のネクタイを見て、俺は口を開く。
「チェレンが学者科にするのは意外だったなあ」
「何でだ?」
「だってチェレンは強くなりたいってずっと言ってたし」
「嗚呼、」
チェレンは少し困ったような顔をする。
「どうしたのチェレン」
「トウコ、チェレンが学者科にしたのが意外だって話」
「あーわかる。意外よね!」
「わたしも意外だと思うなあー」
「別に、深い理由なんてないよ」
「「「ダウト」」」