「本当に、変わったや。変わってないのは私たちだ」
「ガネーシャ?」
「私、クリシュナを偉そうに慰めること、出来ないね。」
「ガネーシャ、どうしたんだ?」

戸惑うクリシュナに、ガネーシャは自嘲の笑みを浮かべる。

「書き換えの時、私は反対したけどさ。だから何か行動したわけじゃない。賛成した神の方がよっぽど行動してたよ」
「ガネーシャ、」
「ね、皆わかるでしょう?私たちは結局、何もしなかった。美玲が書き換えをすることなんで出来ないと心の底で思って、何もしなかった。それって、」
「ガネーシャ!」
「今も同じ、じゃない」

ガネーシャは笑う。自嘲の笑顔はあまりにも痛々しかった。

「そんな…ガネーシャ、そんな」
「ごめんね、クリシュナは私を頼りにしてくれたのに。こんな、頼りにならない神でごめんね」
「そんなことない、そんなことないから、ガネーシャ、だから」

そんな笑顔はやめてくれ、とクリシュナがガネーシャを抱きしめる。その瞬間、堰(せき)を切ったようにガネーシャは大声で泣いた。反対派だった彼女の泣き声はあまりに印象的だった。

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