このところ、アーサーさんがおかしい。
いつからかは分からない。でもそれはきっと突然始まったことではないというひとつの解を示してる。なんて、私らしくない、小難しい言葉を連ねた。私はあまり、難しいことがわからない。そんな私の話を穏やかに聞いてくれるのがアーサーさんで、答えを導き出すのをゆっくりと待ってくれるのもアーサーさんだ。いつも笑顔で、純粋で、穏やかなのが私から見たアーサーさんという神だった。
だけど、最近のアーサーさんはおかしい。時々張り詰めた顔をしている。たまにマーリンさんのお部屋から難しい顔をして出てくる。何か、悩み事があるのかもしれない。そうだとしたら、私は何かしてあげたい。いつも私はアーサーさんに甘やかされてきたから、せめて、何かをしたい。もし相談されても私は難しいことは分からないから解決策なんて分からないと思う。でも、何か、言葉をかけたい。そして少しでも悩み事を軽くしたい。
(私だって何かしたいんです)
アーサーさん、アーサーさん。私は頼りないけど、私はきっとあなたとそれなりの時間を一緒に居てきたから、あなたの心の支えになりたい。
(アーサーさん)
無理には聞き出さないから、いつか、ううん、近いうちに教えて下さい。
(辛そうな表情を少しでも軽くしたいんです)
私はあなたの心の支えになりたい。
少女はまだ自覚せず
(ブリギッド、どうかしたのかい?)
(ううん。何でもないです、アーサーさん)
※蛇足
アーサー様はいつの間にか周囲を固める系ヤンデレのつもり