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テイワットにトリップしたら審神者スキル持ちでした!12


夢主
特に何の特徴もないと自称する女性。ゲーマー。日本人。そこそこゴリラ審神者。呪われし相模国サーバー民。推しは主に獅子王、愛染国俊、大包平。初期刀は加州。初鍛刀は秋田。
この度、テイワットにトリップしたら審神者として刀剣男士を召喚できるようになっていた。何故??
刀剣男士に神の心モドキを与える事が可能。神の心モドキを得た刀剣男士は該当元素力と手入れ以外の回復手段を使えるようになる。
神の心モドキ:試験管に色付きの液体が入ってる。
神の目モドキ:意匠は桜の花弁。シンプル。

獅子王:近侍。鵺は四次元ポケット。雷元素。
愛染国俊:懐刀。賑やかなのが好き。風元素。
大包平:器用個体。料理できる。炎元素。
髭切:兄者。警戒心強め。獅子王兄さん/ひらくん呼び。
一期一振:兄としての側面が強い。愛染に懐いた。
毛利藤四郎:聞き上手。大包平さま呼び。
膝丸:弟。大包平と仲良し。

カーヴェ
姫鶴?
ごこ?
小豆?

タルタリヤ
秋田藤四郎:初鍛刀。風元素。
加州清光:初期刀。炎元素。

胡桃
鶴丸?
物吉?

ディルック
薬研藤四郎:二振り目。エース。
厚藤四郎:頼れる男前。
後藤藤四郎:背が伸びてほしい。
信濃藤四郎:懐!!秘蔵っ子。

ガイア
三日月?

神里綾華
国行?
蛍?

バーバラ
白山?

ジン
福島光忠:福さん。花を飾るなら任せてね。

アンバー
山姥切国広:極。自我が強い。

コレイ
御前?

凝光
博多藤四郎?

白朮
恒次?
青江?

アビス教団
加州清光:二振り目。初の姿。
獅子王:二振り目。初の姿。
毛利藤四郎:二振り目。初の姿。

すべての神々→審神者
その"核心"に触れる存在。
審神者は刀剣の魂を励起させられる。
励起とは、元のエネルギーが、より高エネルギーに移行する状態である。


・・・


 一期がぐずっていた。
「え、何事?」
「あー主さん。一期さんはダメな日らしいぜ」
「うう……」
「風邪か何か? 疲労溜まってる?」
「疲労というか、心労っていうか。一応、人の心に似たものがあるからなあ」
「愛染を膝に乗せてたら直るものなの?」
「さあ?」
「とりあえず絵面が事案だから本丸から出ないでね。ジンさんには福さんもいるし、大丈夫だよ」
「うう……」
「了解だってさ!」
「愛染ってその手のヒトに強いよね」
 とりあえずと、私は今剣を懐刀に、獅子王と共に語り部としての活動に向かった。

 語り部として広場に来ると、何やら騒がしい。シスターの一人が、語り部さんと駆けてくる。
「どうかしましたか?」
「それが、この広場に先ほど襲撃がありまして」
「襲撃?」
 騎士団がぴりぴりとしてる。獅子王がこっそ「と教えてくれた。確かに眺めてみると、アンバーちゃんや山姥切国広、ノエルさんや、ジンさんと福さんまでいた。リサさんとガイアさんは別行動なのだろう。
「襲撃って、どんな……」
「アビス教団だと騎士団は言っていました。ただ、どうにも、語り部さんを探していたみたいで」
「それは何故分かったのですか」
「うたを、」
「え?」
「語り部さんがよく歌う、歌のひとつを、歌っていたので」
 なるほど。

 二振り目の刀達に何かあったのだろう。私はどうするべきかと考える。魔物達が各地で活性化している今、アビス教団もヒルチャールなどを纏め上げるのは大変だっただろうに。それでも、私を求めた。ならば、私が行かねばならない。
「獅子王」
「主、一人で行くなよ」
「分かってる。獅子王、大包平、愛染くんを揃えても困るな……」
「元素についてか。そもそも今日は愛染を連れて行けない」
「……旅人を頼りたいな」
「騎士団じゃダメなのか」
「少しね。教団と繋がりがあると不信感を持たれるでしょう」
「そりゃそうだ」
「ディルックさんとガイアさんは特にダメ。把握できるかな……」
「ディルックはあいつらに頼むか」
「薬研くんたち? いいね。ディルックさんが彼らを頼らないから、先に伝令がいるね」
「ガイアは分からない。あいつにも刀がいたら楽なんだけど」
「獅子王、探って」
「無茶言うなよ」
「鵺使っていいよ」
「任せろ」
 獅子王から鵺が離れていく。私は懐の今剣をトントンと叩いた。
「ごめん今剣くん。薬研くんたちに伝令」
「りょうかいです」
「全力で走っていいよ」
「わあい!」
 今剣が姿を現して、すっと風のように走る。

 獅子王と私がその場を眺めながら立っていると、やって来たのはウェンティさんだった。
「語り部さんっここにいたの? 危ないよ」
「シスターさんから話は聞きました。私の歌った歌と、同じ歌を歌っていたと」
「うん。語り部さんの歌は言語が違うからね。すぐに皆分かったよ。あいつら、語り部さんを捕まえたいんだ」
「でも、どうしてですか?」
「ついこの間、攫われたでしょ! やっぱりアビス教団は語り部さんのことを何か知ってて、連れ去りたいのかも」
「私のことを?」
 すっとぼける。というより、半分は二振り目情報だろうなというぐらいである。アビス教団としては、私の能力(審神者スキル)は必要ないだろう。何せ、彼らは魔物であって"物"ではない。
「とにかく、騎士団の建物に行こう!」
「え、ウェンティさん?!」
「おわっ、主?!」
 ウェンティさんが私の手を引っ張って、走り出す。何とかついて行きながら、獅子王も来てくれていると確信する。行き先は騎士団だ。

 騎士団基地ではリサさんが出迎えてくれた。そして、リサさんが、獅子王をじっと見ている。元素視覚だろう。
「……何があったのかしら?」
「あー、元素を扱えるようになったんだぜ! ほら、神の目」
「偽物ね」
「うわ、一発で見破った」
「本物の神の目を持つ人には見抜かれても仕方ないよ」
「どういうこと?」
 ウェンティさんが言う。私は周囲を見た。人が頻繁に行き交っている。
「すみません、ここでは何も……」
「ジンの執務室に行きましょう。あそこなら安心だわ」
「え、ジンさんがいないのに」
「いいの。わたくしが許可を出したことにするわ」
 全責任はわたくしに。リサさんはそう言って、私と獅子王とウェンティさんを代理団長執務室に案内してくれた。

 執務室は相変わらず書類が多い。
「で、その神の目の偽物はどうしたの? どうやって元素力を使っているのかしら」
「あー、どう言ったもんかな」
「素直に話して頂戴」
「主」
「ええと、神の心、について知ってますよね」
 リサさんも、ウェンティさんも、ぴくりと肩を震わせる。私は苦笑した。
「それを模した物を生成し、獅子王に宿しただけです。偽物の神の目は本丸の妖精さんが作り上げたんですよ。立派にできてるでしょう」
「待って! 神の心を模した物を作ったってどういうこと?」
「そのままとしか……私が審神者である、対象が刀剣男士である。その二点を踏まえれば、可能かと」
「審神者とは何なの?」
「審神者とは、神に仕える者だった。でも、今ここで必要とする審神者は、物の魂を励起させる事ができる存在のこと。励起とは、エネルギーがより高いエネルギーに移行する事象です。私はエネルギーをより高いランクに引き上げた(励起させた)だけです」
 ただ、審神者と刀剣男士間でしか、行えない秘技のようなもの。私はそう繰り返した。
「貴女は、その力が本当に正しく扱えるの?」
 リサさんの質問に、私が何かを言う前。彼が戻って来た。
「"れきしをかえてはなぜいけないの?"」
 今剣がたったと私に駆け寄った。
「あるじさま、ほんとうのもくてきをいいましょう!」
「本当も何も、存在意義だよ」
「ええ、それがかれらにあんしんをもたらすからです!」
「そうだといいのだけれど」
 私はリサさんとウェンティさんを見た。
「審神者は、正しい歴史を守る為の軍人です」
「軍人……」
「上がいるって事?」
「本来なら政府がそれに値します。このテイワットでは、政府が存在しない。でも、このテイワットは本来の歴史を知る審神者を必要とした」
「貴女は歴史を知っているの?」
「残念なことに、私は大抵のストーリィを暗記できます。このテイワットで起きるべき事、起きたであろう事。その全てが私の脳に刻まれている」
 刀剣男士、その性質。
「刀剣男士は歴史を守るために励起に応えている。刀剣男士はその本能で歴史を守る。私は彼らのサポートをする。それだけです。歴史には絶対的な事実しか存在しない。物語とは、虚構。歴史と物語は全く違う物です。しかし、流れるようなそれらを私はストーリィと認識する。全ては歴史を変えようとする歴史修正主義者を殲滅する為に」
「歴史修正主義者とは何なの?」
「そのままです。歴史を変えようとする者がいる。そして、その手先となる遡行軍。そして、私たち刀剣男士も遡行軍も歴史の異物とみなし、排除しようとする検非違使がいますね」
「ならば、貴女が敵とするのは、テイワットの異物ね」
「そうかもしれません。ただ、歴史修正主義者を見つけ出す前に、私は刀たちを見つけたいんです」
「戦力のために?」
「半分はそうです。もう半分は、彼らがこのテイワットに馴染むために」
「それは、優しさではないわね」
「はい。この半分すらも、歴史修正主義者を討つための策でしかない。私は私の判断で、刀達の主として、この手で、歴史修正主義者を討つのです」
 さて、今剣。
「歴史を変えては何故いけないの? ……さあ、リサさん、ウェンティさん。お答えください」
 二人は答えられない。何故なら、彼らは正しく、このテイワットの住民だからだ。
「私は異物を討つ。でも、私そのものも異物なんですよ」
 胸に手を当てる。桜色の神の目のような石がきらきらと輝いていた。


・・・


「「旦那!」」
「薬研と厚かい? どうしたのかな」
 ディルックが立ち止まる。薬研と厚は刀を腰に、ディルックの両隣に立った。
「俺っちを連れてってくれ」
「俺も!」
「アビス教団の基地の一つに乗り込むだけだ。僕一人でいい」
「いや、今回はちっと不安だぜ」
「昼間だしな」
「君たちは、どこまで知ってるのかな」
「これでもアカツキワイナリーの見習いなんでね」
「先輩方が口を滑らせてくれたな」
「全く。いいよ、おいで。足手纏いになると判断したらすぐに帰すから」
「了解」
「任せてくれよな」
 そうして、走るディルックに薬研と厚は続いた。


・・・


「ジンさん、アビス教団からの襲撃だったね?」
「その筈だが、どうしたんだ福さん」
「いや、何となくだけど、歴史の異物が混じっている気がしてね」
「歴史の異物?」
「俺たちの敵さ。ジンさんたちの管轄ではない……ただ、ジンさんが俺を持ってる。彼らはジンさんにも手を伸ばすだろう」
「何を言ってるんだ」
「ジンさん、これだけは約束してほしい」
 福島はきっぱりと言った。
「歴史を変えてはいけない。過去は変わらざるものだ」
「歴史? 過去? そんなもの、私の一存で変えられるものではないだろう」
「そう、その通りさ」
 それでいい。福島は微笑んだ。


・・・


 バーバラは怪我人の手当てをしている。白山は優秀な助手として、バーバラのそばにいた。
「白山さん、この薬草を手揉みで混ぜ合わせて」
「受領します」
 テキパキと薬草を混ぜ合わせ、馴染ませる。その混ぜ合わせたものをすりつぶして、水を混ぜ、ペースト状にすることで薬になる。軟膏としてクリームを合わせて、バーバラは患者の患部に塗った。
「包帯を巻くよ。白山さんも見てて」
「はい」
 せっせとバーバラが包帯を巻くのを、白山は見て覚える。スキルばかりに頼らないのは、元素力の影響が患者にあってはならないからだ。
 同じ事は、白山にも言える。治癒の力は、刀剣男士以外に使ってはならないのだ。
「覚える事がたくさんあります」
「うん。一緒に覚えていこうね」
 バーバラの花のような笑みに、白山はこくりと頷いた。


・・・


「一期さん、大丈夫か?」
「はい、すみません。ジンさんのところに長くいたのが堪えてしまって」
「あー、やっぱ主さんと一緒にいたほうがいいよな。もう福さんもいるし、一期は本丸に戻って来た方がいいぜ」
「はい」
 ぎゅうっと膝の上の愛染を抱きしめて暖をとる一期に、愛染はよしよしと彼の頭を撫でた。
「なんか他に変な事あったか?」
「特に何も。強いて言うならば、魔物の活動が活発になっているので、物流が滞りがちになってるとか」
「それは素直に困るな! 商売は街の命だ。んー、でもとりあえず、近郊で生活必需品は作れるようになってもらわないとな」
「はい。現在は璃月からの荷物がいくつか届いてないそうで」
「そりゃ困る」
「あまりのんびりもしていられません。愛染は外に行きますか?」
「まあ、主さんに遠征頼まれたら行くけど」
「その時は私もお願いします」
「なんで?」
「心配なんです」
「オレの方が先輩なのに!」
「愛染は弟達のようにまだ年若い見た目をしているのですから」
「短刀ってだけだろ」
「はい。だからこそ、です」
「ったく。主さんから神の心モドキをもらったらいいぜ」
「はい」
 嬉しそうな一期に、愛染はこれじゃどっちが弟みたいなんだかと笑ったのだった。

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