綾人×カーヴェ/体育祭/学パロ/pixiv1400フォロワーお礼リクエスト企画作品になります。瓶様リクエストありがとうございました!


 体育祭である。綾人は借り物競争に生徒会長として出場することになっていた。先生方に押し付けられたな。綾人は息を吐く。
 トーマが心配してくれたが、彼は彼で玉入れに参加させられている。後輩とはかくにそういうものである。
 スタートラインに立ち、他の委員会の人々と軽く挨拶する。そして、スタートを切り、綾人はすぐに借り物を指定する紙切れを手にした。
 その中に書かれていた内容に、これは、と困る。しかし、嘘を言うには相手に荷が重い。綾人はすぐにあの人を探した。学年が同じ、その一人。美術部員で、幸い、借り物競争には出ていなかった。
「カーヴェさん」
「あれ、綾人くん? どうしたんだい?」
 カーヴェがキョトンとする。どうやらこれ幸いと美術部員たちにスケッチをさせていたようだ。指導者だが、仕方がない。綾人は言った。
「私に"借りて"くださいませんか」
「構わないけど……?」
 なんだそりゃと言うカーヴェをひょいと抱き上げる。カーヴェはわあと驚きながら、首に腕を絡めた。
「やだっ、走れるから!」
「すみません。生徒会長の面目がありまして」
「普段気にしないだろう?!」
 抱き上げたままゴールする。校庭はざわついていて、運営の綾華が声をかける。
「お兄様、一等おめでとうございます! それでは、借り物のメモを読み上げさせていただきますね」
「お願いするよ」
「なんで僕を抱き上げたままなんだい?」
 それでは、と綾華は言った。
「借り物は、好きな人、です! え?」
 シィンと場が静まり返る。その中で綾人は額をカーヴェに擦り寄せて、ちうと唇にキスをした。
「好きです、カーヴェさん」
「は、はあ……っ?!」
 そのまま顔の至る所にキスをしていると、ワアッと会場が盛り上がった。カーヴェは顔を真っ赤にして、すり、と綾人に擦り寄った。
「ん、僕も、好き」
 その甘い声は綾人にしか聞こえないような小声で。でも雰囲気から察した周囲は、会長が極楽鳥の君の心を撃ち抜いたぞと大変盛り上がっていた。


・・・


おまけ

「カーヴェさん、好きです、好き……」
「分かった、わかったからっ」
「今度家に招きますね」
「手が早い! こういうのは段階があるんだぞ?!」
「私もそれなりに我慢していて、限界なんです」
「がまん?」
「カーヴェさんは誰にでも優しいから、嫉妬してしまいます」
「そんなの、綾人くんもだろ……」
「嫉妬してくれましたか?」
「う、うん」
「嬉しいです」
「んう、だめ、キスも、だあめ、ん、んんっ」
「っは、カーヴェさん……」
「ここ、外だからっ」
「やはり家に招きますね」
「ううー! わかった、から、も、だめ、」
「カーヴェさん、口を開けてくださいませんか?」
「あけないっ」
「そうですか?」
「あ、おなか、さわっちゃ、んんっ、なんか、きゅんってするうっ」
「可愛いです、カーヴェさん」
「綾人くん、ね、だめえっ」
「はい、もう少ししたら役員席に戻りましょう」
「ぼ、僕は美術部の活動が」
「だめですか?」
「だ、だめ、じゃ、ないけど、」
「なら一緒にいましょう」
「ううー」

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