盲目のおとめ/同性愛者カーヴェと異性愛者アルハイゼンのアルカヴェ/夢とかユニコーンとか出てきます。旅人とパイモンとコレイが出てきます/挙動不審なアルハイゼンと、アルハイゼンを好きにならないと決めたカーヴェの、穏やかで残酷なすれ違い話です。


 アルハイゼンとカーヴェがルームメイトになった際、まず最初に話し合ったことがある。それは暮らす上でのルールだ。まあ一通りのことを決めて、最後にカーヴェはこれは伝えなければならないとなるべく気軽に言った。
「僕は同性愛者なんだ」
「は?」
 唐突なカミングアウトに後輩はわずかに目を見開いていた。そりゃ、学生時代に出会って、再会して、なんかルームメイトにするとかなんとかになって、最初に暮らす上でのルール決めをして。そんな最中に言われたら普通は混乱する。でもまあアルハイゼンは優秀な処理能力は持ってる筈だ。カーヴェは続けた。
「性的嗜好は、男性になる。だが、きみは好きにならないから安心してくれ」
「……」
 アルハイゼンは眉を寄せている。困ってるなあとは分かる。分かるが、言っておかなければ今後支障が出るかもしれない。
「男を連れ込む事はしない。そんな非常識な事はしない。とりあえず、君の部屋に入らないし、僕の部屋にも入らないでくれ」
「……」
「何か言いたいなら言えよ」
 無言の後輩にそう伝えれば、何やら難しい顔をしている。いや、いつもの真顔だけど。雰囲気が難しいのは分かる。
「……俺は異性愛者だ」
「だろうな」
「きみを好きになることはない」
「そうだろう」
「あと、家主は俺だ」
「うん」
「……」
 いや、それで何なんだ。カーヴェは事実確認しか無いなと首を傾げた。後輩の様子がおかしい。いやいつも変なやつではある。特に、カーヴェに関してはわりと喋るものの、基本的に無口ではある。必要なことしか喋らないが。
 だから、つまりだ。こいつ何言ってんだ。という話である。
「僕から伝えたい事は以上だけど」
「ああ」
「じゃあ荷解きしてくる」
「ああ」
「夕飯まだだろ? 作るよ」
「ああ」
「あと、本はちゃんと片付けた方がいい」
「ああ」
「……きみ、聞いてるか?」
 無言だった。急にポンコツになった後輩に、カーヴェはとりあえずショック受けてるのかなと思い、そっとしておくことにした。

 かくしてルームメイトとしての生活が始まったわけである。

 で、まあお互いに仕事があったり、合間に家で共に食事をしたり、掃除をしたり、急に買ってくる家具に文句を言ったりして、日々は過ぎていった。
 その間に、カーヴェは誰かを好きになる事はなかった。自身の性的嗜好を自覚したのはカーヴェが学生時代のことだ。その頃の先輩に淡い恋をしただけ。それだけで、何かあったわけではない。カーヴェは誰かと恋愛をした事がないし、体を許したこともない。酒場で飲んでるとたまに物好きな奴に絡まれるが、適当にあしらう事ぐらいはできた。泥酔したら、ちゃんとした友人の誰かが介抱してくれたし、アルハイゼンとルームメイトになってからは彼が迎えに来た。
 共に住む中で、アルハイゼンへの情は湧いたが、それが恋かと言われると謎であった。そもそもアルハイゼンを好きにならないと宣言しているので、そんな不毛な恋は却下である。カーヴェは恋に振り回される人たちが好きだ。人間として、恋を経て成長していく人たちが、とても好きだ。恋バナが好きというやつで、特に女性の話を聞くのが好きだった。彼女たちは感情を吐露する。カーヴェはただ、聞く。カーヴェがカミングアウトしようか、しまいが、彼女たちはカーヴェがただ聞いてくれることに心が軽くなるらしかった。あと、不思議とカーヴェに恋をしたいと思わなくなるらしい。恋バナをする彼女たちにとって、カーヴェは聞き上手な友人だったり、親友とすら思ってくれた。カーヴェは人に嫌われるより好かれたい。だから、そうやって友愛を向けてくれるのが嬉しかった。心を許して彼女たちの話を聞いていると、不思議と涙が溢れることがある。感受性が豊かなんだろう。でも、彼女たちは感受性がどうの、とは言わない。ただ、カーヴェは綺麗だと言った。まるで、神聖なものを見るように、敬虔な教徒かのようにカーヴェを眺めていた。不思議な感覚だったが、悪い気はしなかった。カーヴェにとって最適な距離感ではある。誰かの恋をこうして聞いて、感情を教えてもらって、カーヴェは擬似的な恋を経て成長するのだろう。ずっとずっと、こうして繰り返していくのだ。カーヴェは信じていた。何も悪い事はない。カーヴェは目を閉じる。
 後に出会った旅人は言った。あなたみたいな人はテイワットでも貴重だね。そうだろうか。カーヴェには分からなかった。類似する人間はいるだろう。テイワットは広い。カーヴェの知らない場所で、きっと、知らない人が、カーヴェと同じように目を閉じて涙を溢す。旅人は言った。あのね、ユニコーンっていう物語上の存在がいるんだ。ユニコーンは純潔の乙女にしか懐かない。でもね、見えるよ。カーヴェに寄り添うユニコーンの姿が、と。カーヴェにはユニコーンが分からない。でも、そんな存在がいたら心強いな、と思った。絶対的な味方が寄り添ってくれるのは、きっと、素晴らしい事だから。

 砂漠での大仕事を終えて帰ってきたらスメールは何かしら色々とあったようで。その件でカーヴェは先述の旅人と出会った。旅人は少女だったが、不思議な感覚がした。まるで、大人の女性のように見えたのだ。アルハイゼンが珍しくまともに話しているものだから、相当気に入ったのだろうなと思った。恋ならば応援するが、何やらその気配はない。信頼関係が見えるから、自分がいない間の騒動で協力したのだろう。スメールが君を必要としている時に、とは言われたが、仕事は仕事であるし、カーヴェは何のことやら分からなかった。何故かアルハイゼンが語ろうとしないので、カーヴェは旅人と話すようになった。街の噂はアテにならない。旅人はカーヴェのことを最初こそ不思議そうに思っていたらしいが、スメールでの騒動にルームメイトが関わっていて、さらに様子が変だという旨を告げれば、旅人は話してくれた。詳しいことは話すと長くなるから、ゆっくり話していこう。旅人は気が長い性質らしかった。定住地を持たない故の余裕だろう。カーヴェは住む場所が欲しいと思ってしまうから、旅人のその性質は羨ましいなと思ったし、同時にとても素敵なものに見えた。
 だから、壺においでと言われて、壺って何って聞いて。ならば泊まりがけで行ってみようと思ったのは当然だと思う。仲良くなりたいなら、対話すべきである。カーヴェにとって当たり前のことだった。
「ということで壺に泊まってくる」
「そうか」
「一泊だろうけど、ちゃんと食事は摂れよ。あと、読書はいいけど、没頭して睡眠を削るな」
「ああ」
「じゃあ行ってくる」
 てってとカーヴェが出て行き、旅人の少女に導かれるのを、アルハイゼンがその双眼でじっと見ていたのは、カーヴェの知らないことである。

 壺の中は居心地が良いように整えられていた。寝る場所が出来て嬉しいよとは旅人は言っていたが、なかなかに家具にこだわって見えた。どうやら、友人を招く度に少しずつ手を加えているらしい。一応、人を出迎えるなら、ということだった。慣れないことをしている自覚はあるらしく、カーヴェから見てどうかなと質問される。きみらしくていいと思う。そう伝えれば、旅人は微笑んだ。嬉しそうだった。
「あっ、カーヴェさんっ」
「あれ、コレイじゃないか」
「知り合い?」
「少しは。コレイも招かれていたんだね」
「う、うん。あの、一緒に、居てもいいかな」
「勿論」
 カーヴェが笑えば、コレイはふにゃりと笑う。ティナリに師事する彼女は、よく愛されているのだろうと感じられた。素晴らしいことである。家族愛のようなものだろう。カーヴェには分からないが、それが素晴らしいものであることは知っていた。
 コレイと旅人と、パイモンも合流して。四人で持ち寄った食べ物を分け合って、あれこれ話す。コレイは村のことや森のこと。旅人はテイワットを飛び回っていること(このことに関してはパイモンの方が喋っていたかもしれない)。カーヴェは聞き手に徹して、彼女たちの話に相槌や笑みを返した。恋バナではなくとも、女性が感情を露わにして喜色に目を輝かせたり、頬を染めるのは、カーヴェにとってとても美しいものに見える。カーヴェは美しいものが尊いものだと知っている。スメールではなかなか評価されない美だが、だからといってプライベートでそれを手放すことはしない。美は、確かに良いものなのだ。
「カーヴェさんは、髪が綺麗だよな」
 コレイがふと言う。カーヴェはそうかなと首を傾げた。
「確かに香油とかは気をつけてるけど……」
「いいなあ」
「コレイの髪も綺麗じゃないか」
「そ、そうか? だって、うう……」
「んー、少し香油を分けてあげよう」
 カーヴェはよいしょと荷物からいつも使っている香油を取り出して、コレイの後ろに座る。触っていいかなと質問して、了承を得てから、香油を手に馴染ませて、ゆっくりと彼女の髪を撫でていく。揉み込むように、丁寧に。マッサージも良いものだよと言いながら、カーヴェは彼女が真剣に耳を傾ける姿に嬉しくなる。聞いてもらうのも、良いものだな。何となく思った。
「これでどうかな」
「コレイ、鏡だよ」
「え、わ、落ち着いてるっ」
「そりゃ少しはね。でもきみの髪質も悪いものじゃないよ?」
「でも、たまには……」
「お洒落の手伝いならいつでもしよう」
「ほ、ほんとか!?」
「勿論。きみの師匠とも面識があるし、話はつけれるさ」
「あ、ありがと、う」
「どういたしまして」
 コレイがわくわくとしているのを見て、カーヴェは微笑ましかった。そんな二人を見て、旅人は言うのだ。
「カーヴェは物知りだね」
「そうかい?」
 思わぬ言葉に首を傾げる。物を知ってるのはどちらかと言えば旅人だろう。各国を回るのだから、当然だ。でもコレイも、こくこくと頷いている。ならば賛辞は受け取らねばならない。
「ありがとう」
 笑えば、コレイが目を丸くした。あ、と旅人が口を開く。後ろを見ている。カーヴェが何気なく振り返ると、そこには何かが通った軌跡があった。たまにいるんだよ。旅人は笑った。きっと、旅人が各国を回っているからだろう。パイモンはそのような説明をした。何が居たかは分からないが、カーヴェは悪いものには思えなかった。
 それからみんなで枕を並べて寝た。コレイはすっかりカーヴェを気に入ってくれたらしく、あれこれと辿々しくも話をしてくれた。師匠であるティナリの話が多くて、仲が良いのはいいことだとカーヴェは嬉しくなった。

 夢を見た。
 花畑にカーヴェはいた。ああ、夢だ。カーヴェには分かった。夢を夢だと分かるのは明晰夢というものらしい。スメールの大人が夢を見るようになって、まだ日が浅い。でも、そんな中でも、カーヴェは明晰夢しか見た事がなかった。
 花畑はどこまでも続いている。カーヴェが立ち上がり、歩くと、花畑も広がって行く。上を見上げると大輪の花が咲いている。大輪というか、上空を覆い尽くす巨大な花だ。あれは何だろう。カーヴェの夢なのに、その花は分からなかった。
 誰かとお喋りしたいな。カーヴェが願うと、目の前にお茶会のセットが現れた。ぽふんと座ると、人間がするりと現れる。今日は誰だろうか。そう思っていると、珍しく知っている人だった。アルハイゼンだ。
 アルハイゼンはぱちぱちと瞬きをして、軽く周囲を見てから、カーヴェをじっと見た。大人がするには幼いような動作に、カーヴェは愛らしいと思った。
「お茶をしよう」
 カーヴェが指を振れば、ポットからカップへお茶が注がれ、二人の前に一つずつ、並ぶ。
「何か話せるかい?」
 質問すると、アルハイゼンはゆっくりと口を開いた。
「きみは何故、俺を見ない」
 斜め上の発言である。カーヴェは首を傾げた。
「見ているじゃないか」
「違う」
「いつも見ているよ」
「そうじゃない」
「きみは僕によく見て欲しいのかい?」
 アルハイゼンは一度黙る。固まってしまった彼の前でカップを手にしてお茶を飲む。豊かな香りはカーヴェ好みだった。
「俺はきみが大切だと思う」
「うん」
「きみがいないと、落ち着かない」
「そうか」
「でもそれは、きみを傷つける」
「そうかい?」
 一緒に住んで長い。日常に溶け込んでしまったのはお互い様だ。情が湧くのも当然だ。大切だと思うのも、当然だ。だって、当たり前の日常は誰もが大切にしたいものだから。
「きみが好きだ」
「ありがとう」
「好きだから、俺を見てほしい」
「見ているよ」
 悲痛な顔をする。アルハイゼンはどんどん幼くなって行く。ぐるんと世界が反転した。カーヴェはベッドに寝転がっていて、幼いアルハイゼンがカーヴェに馬乗りになっていた。力は強かった。でも、カーヴェはアルハイゼンに手を伸ばした。こんなに幼いアルハイゼンを、カーヴェは知らない。でも、確かにアルハイゼンだと分かった。
 そっと抱きしめて、引き寄せて、ポンポンと背中を撫でる。
「僕も好きだよ。きみは大切な後輩だ」
「違う」
「大丈夫。きみは異性愛者だ。不安になる事はない」
「そうじゃない」
「僕はきみを大切に思うけど、恋愛感情も下心も持たない。そう約束しただろう? 僕は約束を間違えない。だから、安心してお眠り」
「カーヴェは、それでいいのか」
 やけに苦しそうな声だった。カーヴェはクスクスと笑う。
「それがきみの望む関係だろう」
 腕の中、幼いアルハイゼンが震えていた。涙を流す彼を、カーヴェはゆったりと撫でる。
 気がつくと、森の中にいた。背中に馬のような生き物がいる。角を持つ白い馬は静かにカーヴェに寄り添ってくれた。腕の中のアルハイゼンはまだ泣いている。夢の中でぐらい、好きなだけ泣けばいい。カーヴェはゆったりと馬に背中を預けて、アルハイゼンが泣き止むまで背中を撫で続けたのだった。

 朝になって、カーヴェが目覚めると、旅人が朝食を作ってくれた。まだ寝ていたコレイをパイモンと共に起こして、四人で朝食を食べてから、壺を出る。まずコレイを村のそばまで送り届けてから、旅人はカーヴェを家まで送ってくれた。そこまでしなくていいんだ。そう言うのに、旅人は譲らなかった。
「あなたは強いね」
「そうかな?」
 玄関先、扉を開く。アルハイゼンはきっと仕事だろう。旅人と別れて、部屋に戻る。そして掃除と昼飯の支度でもするかと、カーヴェはてきぱきと働き始めた。
 夜になる前に、アルハイゼンは帰ってくる。夕飯の支度をしていると、音がした。作業を続けながら、おかえりと声をかける。返事がない。まあいいかと夕食の仕上げをして、机の上に運んだ。
 アルハイゼンが自室に戻った。部屋着になって戻ってくる。ヘッドホンなどを置いてきたのだ。自宅なんだから楽に過ごせばいい。カーヴェは何も言わない。
 二人で席に着いて、夕飯を食べる。壺の中でコレイと話した事、髪を整えた事、旅人と話した事、パイモンの事。カーヴェが喋ると、アルハイゼンは黙々と食べる。いつもの事だ。だが、アルハイゼンは夕飯を食べ終えた時に、言った。
「きみは旅人が余程気に入ったようだ」
「それはきみの方じゃないのか?」
「そんな事はない」
「だってきみが家に招くなんて初めてのことじゃないか」
 カーヴェはふわりと笑う。
「大切な人はちゃんと大切にしろよ」
「……そうか」
 アルハイゼンが席を立つ。皿を片付けろよと小言を言おうとして、彼はカーヴェの隣に立っていた。何だ。そう言って見上げる。そこには、置いて行かれた子供のような顔をしたアルハイゼンがいた。何なんだ。でも、そんな後輩を放っておく事はしない。
「ほら、おいで」
 椅子を引いて、立ち上がって。腕を広げる。アルハイゼンはぽすんとカーヴェの肩に頭を乗せて、腕を背中に回した。カーヴェはぽんぽんと広い背中を撫でる。
「大丈夫、きみの怖がる事は何もない」
「本当に?」
「ああ、勿論さ。嘘を言ってどうするんだい」
「俺は嘘つきだから、」
「そうなのか」
「カーヴェも嘘をついていい」
「なんだそりゃ」
 くすくすと笑うと、ひょいと持ち上げられた。うわっと声を上げる。すたすたと歩き、ソファに降ろされる。そのまま、ギシ、とアルハイゼンが馬乗りになる。夢の中みたいだった。アルハイゼンは、大人だけれど。でもきっと、小さな子どもみたいなものだ。カーヴェは腕を伸ばし、アルハイゼンの肩に抱きついて、目を閉じる。
「大丈夫だ、アルハイゼン」
 しばらく、互いに無言だった。静寂が家の中に広がる。カーヴェはじっとしていた。アルハイゼンはやがて、そっとカーヴェから離れた。カーヴェが目を開くと、アルハイゼンはじっとカーヴェを見ていた。真剣な目だった。カーヴェの知らない目だ。穏やかに見返していると、アルハイゼンの指が、そっとカーヴェの腰辺りを撫でた。そのまま、脇、胸、喉、顔と手が移動する。カーヴェは動かない。
「きみは、残酷だ」
 落とされた声に、カーヴェは笑った。
「僕は変わらないよ、アルハイゼン」
 擬似的な恋はカーヴェを成長させた。でも、本質までは変わることがないとカーヴェは思う。擬似的な恋には限界がある。いくら涙を流しても、カーヴェは実際に恋をしたわけではないのだ。その事を、カーヴェは分かっていた。だから、変わらない。
「変わったとしたら、きみだ」
 その言葉に、アルハイゼンは頷いた。
「……そうだろうな」
 それだけ言って、アルハイゼンはカーヴェの上から退くと、夕飯の片付けを始めた。カーヴェはよいしょと起き上がって、風呂を洗ってくるよと浴室に向かった。

 それから、交代で風呂に入って、適当にリビングで時間を潰す。ただ、カーヴェはいつもより早めに自室に戻った。何だか、落ち着かなかった。
 自室はカーヴェの孤城だ。不可侵領域で、カーヴェは寝間着に着替えて、ころんとベッドに寝転がる。そして目を閉じた。呼吸すると、いつも使っている香油の香りがした。
 すうっと眠りに入る前、きらきらと、何かがカーヴェに寄り添った。それでいい。カーヴェはずっと、その馬に、ユニコーンに、守られている。

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