アルカヴェ/にょたゆり/鳥とひみつの楽園2/血の繋がった姉妹/近親相姦/時系列バラバラになる予定/書きたいところから書く/2歳差/日本のようなどこか


🌱7歳×🏛9歳/初夏


 アルハイゼンが初めて、呼んだ。
「カーヴェ」
「……え、」
 いつもの、おねえちゃんじゃなくて、カーヴェと、名前で呼んだのだ。

 慌てて二人の部屋に入って、狭い部屋でアルハイゼンと向き合う。
「あ、アルハイゼン?! どうしたんだ?!」
「カーヴェのこと、おもいだしたんだ。というか、ぜんせ、か、これは」
「そうだと思う……、え、本当に?」
「カーヴェもおぼえているんだな」
「うん。そういや、僕も七才ぐらいで思い出したな。ふふ、久しぶりだね、アルハイゼン」
 きゅっと抱きつくと、アルハイゼンはそっと腕をカーヴェの背中に伸ばした。
「カーヴェ、おれはやっぱりカーヴェがすきだよ」
「は、え?」
「すき、すきだ、カーヴェ。あいしてる。きおくがもどるまえから、カーヴェとけっこんしたいって」
「た、たしかに言ってたけど、僕らは女の子同士だし、姉妹だからな?!」
「じゃあけっこんじゃなくて、いっしょによりそえばいい。だめか?」
「だめじゃないけど……」
 いいの?
 カーヴェが抱きしめたアルハイゼンとこてんと額を合わせる。アルハイゼンはこくこくと頷いて、小さな体で、きゅっとカーヴェに抱きついた。
「まだ、おれはおさないけど、ぜったいにきみにみあうおんなになる」
「もう。焦って大人にならなくていいんだよ」
「しってる。でも、はやくきみを」
「あ、こら」
「うん。やっぱりきみのからだはきもちいい」
「服越しでも揉んじゃだめ!」
「うう」
「泣き落としはきかないからな!」
「むう」
「かわいくても、だあめ。でも、そうだ。ナイショでキスするのはいいよ」
 カーヴェは椅子に座るとアルハイゼンを膝に抱き上げた。アルハイゼンは小さな手でカーヴェの頬に手を添えて、そっと唇を合わせてくる。ちうちうと触れるだけのキスを何度かして、ぺろりと舐められた。カーヴェはむきゅっとアルハイゼンの顔を手で止めた。
「まだ深いのはだめ」
「なんでだ」
「きみ、僕らが相当こどもだって分かってる?」
「でも、おれはきみとまじわる、かいかんもおぼえてるんだぞ」
「つまり?」
「よっきゅうふまんだ」
「もう。まだ七才だろ。遊びで発散しような」
「だったら、ぎろんがいい」
「うん!」
 カーヴェが笑うと、アルハイゼンはやや不満そうに本を新しく借りて来たいとごねたのだった。明日は学校が休みなので、図書館に行くのもいいかもしれない。

 なお、翌日の図書館で字が読めないと分かったアルハイゼンが片っ端から言語について学び始めたことには、カーヴェは思わず笑ってしまったのだった。

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