キバネズ/香水/口調分かりません/一人称も危うい/捏造しかない/これは二次創作です


!たぶん剣盾のネタバレ含みます!
!どこからがネタバレかわからないですがこれはクリア後クリア後の人間が書いてます!


 すん、と匂いを嗅ぐ。やめてくだせえってんですよ。そう逃げるネズを追いかけて、絡めとって、すんすんと匂いを嗅ぐ。これはなんの匂いだろう。花のような香りに、キバナは果てと首を傾げる。端的に言えば、彼らしくない香りだった。
「キバナ、離れなさいって」
「んー、これなんの匂いなんだ?」
「はぁ?!」
 何か匂いますかねとネズがすんと鼻を鳴らした。

 しばらくの静寂のあと、ああと声を上げた。
「ここに来る前、人とぶつかりましてね。花壇に埋もれたんですよ」
「ハア?! 怪我とかなかったか?」
「薔薇の花壇だったので少しは切り傷ができましたが、ぶつかった人のインテレオンがすぐにフォローしてくれたので平気です」
「ハァァ、そう、そうかよ……」
 無事ならいいけどよ。キバナはすりすりとネズの首筋に顔を埋めた。場所はキバナの借りている部屋で、人目は気にしなくていいとはいえこんなに引っつかなくともとネズは思う。
「あ、切り傷ってどこだ?」
「指に少し」
「見せてみろって。洗って絆創膏貼ろうぜ」
「これぐらい平気です」
「オレさまが心配なの」
 離れたかと思うと手を取られて指をチェックされる。ネズは彼の好きにさせながら、ぼんやりとぶつかったトレーナーを思い出した。

 インテレオンは進化したばかりだったらしく、花壇のあるバトルコートで大騒ぎしていたのだ。耳が良いネズだったが、不快な騒ぎ声ではなかった。ただ、目出度いことだとネズはもし知り合いなら祝福したいところだと考えたりした。

 そうぼんやりしていたらぶつかったのだ。面目ない。
「これでよし」
 キバナがネズの手に絆創膏を巻く。気になった怪我は三ケ所らしく、絆創膏は三つ巻かれていた。
「大袈裟ですねえ」
「いいだろ別に」
「構わねーです」
 じゃあいいじゃん。キバナはそう言って、またネズの首筋に顔を埋めた。すんすんと匂いを嗅がれている。犬じゃあるまいし。ネズは呆れた。
「そんなに気になるなら薔薇の香水でも付けてあげましょうか」
「……それは何かヤダ」
「我儘な」
「だってネズの匂いがいいんだって」
「変態ですか?」
「恋人ならフツーじゃね?!」
「いや知らねーですけど」
 にしてもキバナは本当に鼻が効くな。ネズはすんと鼻を動かした。これだけ密着しているのだ。ふわと、キバナの体から香水の匂いがする。おれは駄目で、キバナは良いのか。ネズは少し不機嫌になって、今度香水を買いに行こうと決めたのだった。

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