シロの翼

名探偵コナン/灰原哀夢/百合/灰原哀←女主
女主設定
女主(変換可)……帝丹高校1年生。ストーカー被害で毛利探偵事務所に世話になる。その間に偶然見かけた灰原哀に一目惚れし、なんとか友達の座を掴み取る。黒い髪(2つのみつ編み)に黒い目。童顔かつ背が低い。秘密がある。


 それは運命だった。
「また来たの?」
「はいっ、灰原さんこんにちは!」
「はいはい」
 お邪魔しますと、女主は阿笠邸に入った。
 珈琲でいいかしら。そう言われて、カフェインの取りすぎはいけませんと女主は言う。それもそうねと、灰原は麦茶を手にした。
 季節は夏。蝉の声が煩い中で、灰原は女主のことなど気にせずに研究や調べ事に時間を使う。女主も女主で、机に勉強道具を広げて学生の責務を全うしていた。
「次の採血はいつなの?」
「二週間後です」
「あらそう」
「えへへ、灰原さんは優しいなあ」
「ただの質問でしょ」
 でも嬉しいな。ぽぽぽと頬を染める女主に、呆れたと灰原はデスクに向き直った。

 宿題を終えると、女主は台所借りますねと間食のためのスムージーを作り始める。女子高校生はなかなかに燃費が悪い。その上、女主の体質ではカロリーや添加物塗れのお菓子は食べれなかった。

「スマホ、鳴ってるわ」
「えっもうですか?」
 早いなあ。女主はスマホを取りにリビングに向かう。電話を交わすと、はあと息を吐いた。
「二週間後、薬剤師さんとのご相談も入っちゃいました」
「あら、博士に言って止めてもらおうかしら?」
「いえ、私の責務ですから」
 しかしこうも頻繁になるとは。むむむと、女主は眉を寄せる。
「灰原さんとしては、止めといた方がいいと思います?」
「まあそうね。貴女まだ未熟だもの、負担が大きいわ」
「ですよねえ。うーん、健康には気をつけないと」
「期間を伸ばしておきなさい」
「そうします。相談料は血液でいいですか?」
「ダメに決まってるでしょ」
 貴女、懲りないわね。そう言われて、女主はそういう性分なんでと笑った。





・・・


夢主の秘密…特定の難病を治す事ができる血液の持ち主。定期的に血液を採取されている。国に保護されている。阿笠邸の滞在は、下手な場所にいるより安心だと、色んな人が手回しした結果、許されている。当然、阿笠も灰原も夢主が特殊体質なのは知っている。

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