充実した休日/風見/休日ネタ


 おわった。
「ない」
 デスクの上を確認する。積み上げられていた書類は片付いた。新たに回される心配はない。何故なら風見は明日、久方ぶりの休日だからだ。
「帰る!!」
 風見さんしっかり休んでください、降谷さんは任せてくださいと、部下や同僚から声がかかる。風見は休息を求めてぼんやりとする思考で何とか返事をし、片付けを済ませると帰路に着いた。

 帰り道、スーパーに寄って食材を買う。普段は出来合いの物ばかりだが、明日は休日だからと根菜や肉を買う。メニューを組み立てながら新鮮な品を選び、会計を済ませ、帰宅した。

 ビニール袋に入った食材を置いて、部屋の換気をし、手早く着替えを済ませてから台所に立つ。作るのは根菜とキノコと肉のスープだ。ついでに米も炊く。
 大きく切った具材を鍋に入れて炒め、水を入れる。コンソメを適当に入れて煮込み、塩と胡椒で味を整えた。

 出来上がった謎のスープ(味の保証はできる)とご飯(ちょっと固め)、ついでに作った酢の物(わかめとカブ)を並べ、手を合わせてから食べていく。ガツガツと食べて空腹を満たし、さっさと食器洗いをしてから風呂を洗い、風呂が沸くまでに掃除をした。

 風呂に入って体をほぐし、掃除の際に整えたベッドに潜り込んだ。


………


 朝である。気絶するように寝たことを思い出した。僅かな日差しを感じながら起き上がり、朝日が昇るのを見た。
 洗濯機を回し、ベーコンエッグトーストを作り、昨日のスープに火を入れて器に盛り付けた。どうやらスープは夜に食べ切れそうだ。

 スズメの鳴き声を聴きながら朝食を食べ、洗い物を済ませる。洗濯物を干したら、身支度をする。

 久しぶりの私服で外に出た。戸締りはしっかり確認し、洗剤などを買う為に比較的大きなショッピングモールに向かった。

 食器の洗剤、洗濯の洗剤。劣化していた洗濯バサミ。トイレットペーパー、ティッシュボックス、メモ帳とボールペン。私服も一枚買って、昼にはサンドイッチを食べた。おやつにはチョコレートとアイスで飾られたクレープを食べた。

 帰宅し、買ったものを片付けてから夕食を作る。
 スープに水を足して、カレールーを少量入れる。うどんを茹で、カレーうどんにする。今日はキュウリの浅漬けを箸休めに作った。

 時間をかけて夕食を済ませ、食器を洗い、風呂を沸かす。ベッドメイクをし、娯楽用に買った新聞を読む。気になる記事だけ読んでいるとあっという間に風呂が沸いたので、入浴する。
 風呂から出たら髪を乾かし、貰い物のハーブティーを淹れる。新聞を読みながらハーブティーを飲み、読み終わるとベッドに寝込んだ。

(嗚呼、自由を満喫した)
 そう考えながら、風見は明日からまた働く為に眠りについたのだった。



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